図面を立体にして得られる効果とは?3DCADについて

製品づくりの第一歩となる企画・設計ですが、まず図面が必要となります。

今までは平面データの2Dが主流でしたが、最近では正確に形状を把握することが可能な3DCAD(スリーディーキャド)が増えています。

3DCADとは?

3DCADとは、コンピューターを用いて3次元(3D)の設計ができるツールです。

仮想空間に立体を構築できるため、図面を回転させて多方面から確認することが可能となります。

3DCADが出始めたばかりの頃は数百万円ほどの費用がかかっていましたが、現在は技術の進歩やシステム開発元の努力もあり数十万円ほどにまで下がり、導入のハードルが下がっています。

3DCADのメリット

メリット1>視覚的にわかりやすい

従来の2Dでは図面から頭の中で立体に組み立てなければならず、読み解く側の知識も必要です。

3Dであれば、形状は見たままなので、複雑な形状でも簡単に確認することができます。

図面を見るための特別な知識が不要なため、誰にでもわかりやすく情報共有が可能です。

また、サンプル品など実物がないような開発途中の製品でも立体的に確認することができるのです。

<メリット2>「設計」と「製造」間の共有精度向上

3Dの図面は寸法や質量など数値化されたデータもわかりやすいため、製造工場との認識齟齬を少なく共有できます。

設計の段階で干渉、ズレ、各部品の位置関係などを立体的かつ多方面から把握できるため、製造工場に依頼してから設計ミスが発覚するといったリスクが軽減します。

<メリット3>製品のモックが作れる

手元の図面が2Dの場合、試作品が必要になった際まず仮型や簡易型を起こす必要があります。しかし、図面が3DCADで作成されたものであれば、そのデータを元に3Dプリンターを活用し、実寸のモックを作ることができます。

品質と開発原価は70~80%設計で決まる

トヨタなど製造業では「品質≒設計」という認識が主流であり、開発原価の70~80%は設計で決まると言われています。

コスト削減の方法として「どれだけ製造工程を削減できるか」「どれだけ容易に品質精度を上げられるか」などがありますが、どちらも設計の段階で調整できる方法です。

そのため、設計機能がない企業は能力や企業努力をもってしても残りの20~30%部分でしか削減の効果が得られないのです。

精巧で誰が見てもわかりやすい設計図を作成することができる3DCADの活用は、コスト削減にも繋がるといえます。

検品で「品質」は向上しない

では、製造後に行われる検品は何のために行われるのでしょうか。

結論としては「初期不良を抑えること」が検品で得られる効果です。

どんなに検品項目を増やし細かい検査をしても、設計の時点で欠陥があるとその設計図で作成した製品全て満足のいく品質に辿り着くことは不可能といえるでしょう。

そのため、検品は「品質」とは別だと考える必要があります。しかし、初期不良を抑える目的として効果的なので、製品製造の工程として必要な項目として覚えておきましょう。

さいごに

3DCADを活用することで、設計を担う部署のみならず他部署や外部機関とのやり取りにも数多くの効果が得られます。

製造業の源流である「設計」を効率よく進めるためには3DCADの活用がカギとなるでしょう。また、DX化が騒がれる昨今では3DCADの重要性が更に上がることが予想されます。

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