アグレクションの製品は主に海外工場で生産しています。
そのため、欠かせない存在となるのが「関税」です。
海外から日本へ物品を持ち込む際に必要な関税ですが、どういった時に?何に対して?発生するのか理解するのは難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。
今回はその「関税」についての基本的な知識を紹介します。
関税とは?
一言で言うと輸入品に課される税金のことです。
関税の主な目的は、国内産業の保護と市場経済の混乱を防止するもので 商品を輸入する本人や輸入業者が、輸入する国の税関に納める必要があります。
関税はどんな時にかかる?
関税は以下のようなケースで課せられます。
・日本で売るために商品を輸入
・海外通販で商品を購入
・海外旅行で買った土産物を持ち帰る
輸入の目的が個人用・商用に関わらず、海外からの荷物はすべて関税の対象となります。
ただし、目的や品目によって適用されるルールが異なります。
関税はいつ発生して、どうやって支払う?
タイミングは?
輸入した製品が日本に到着した際、この段階ではまだ日本の輸入許可が下りていません。
輸入許可が下りていない物は通関手続きと関税の支払いが完了されるまで保税地域で保管されます。
保税地域から製品を引き取るためには、関税や消費税など必要な支払いをし、輸入許可書を発行してもらわなければなりません。
実は、横浜開港後の1911年に「保税倉庫」として建設されたものなのです。
その後、約80年経った1989年に役目を終え、現在のような商業施設へと変わりました。
支払い方法は?
ほとんどの場合、関税の納付も含め通関手続きは運送会社が代行します。
そのため、運送会社が立て替えた関税を配送時にドライバーへ支払うか、送られてくる請求書で支払います。
関税額はどうやって決まる?
関税は国ごとに異なり、それぞれの国が独自に決めるものです。そのため、日本に輸入するための関税額は、日本の税関が決定します。
税関が関税額を決定するためには「インボイス(invoice)」が必要となります。
輸出者が荷物の内容や金額などをインボイスで申告し、この情報をもとに税関は関税額を決定します。
関税の計算方法は?
「何を」「どこから」「何のために」輸入するかで関税率が決まり、「課税対象額×関税率」で計算されます。ただし、個人用か商用かによっても課税対象額が異なります。
個人用の場合は課税対象額が商品代金の60%となりますが、商用の場合は商品代金に加え保険料や送料など諸経費も課税対象額に含まれます。
以下の条件の場合、課税対象額はいくらになるのでしょうか?
(例)商品金額:50,000円 送料等諸経費:5,000円
個人用: 50,000円×60% = 30,000円
商 用: 50,000+5,000円 = 55,000円
商用と個人用の違いとは?
まず、個人用と商用では目的が異なります。
商用輸入では、輸入した商品を国内で販売し利益を出すことを目的としているため、たとえ少量の輸入であっても法規制に従う必要があります。
個人輸入は輸入した本人が自己使用することが目的となるため、輸入した物品を第三者へ販売したり不特定多数の人へ配布することはできません。
少額輸入貨物には「簡易税率」?
課税対象額が20万円以下の場合は、少額輸入貨物の簡易税率というものが適用されます。
一般的な関税率(実行関税率)は数千種類と区分が膨大ですが、簡易税率の区分は7つだけです。
そのため、個人用だけでなく出始めの輸入ビジネスを進めるうえで、とても利用しやすい制度となっています。ただし、20万円以下であれば全て簡易税率が適用されるわけではありません。
以下の場合は少額輸入貨物の簡易税率が適用外となります。
・携帯品および別送品(専用の簡易税率が適用)
・関税が無税または免税になるもの
・日本産業への影響を考慮し簡易税率を適用することが適当でないとされるもの
さいごに
輸入をするうえで欠かせない関税ですが、税率はかなり細分化されているため全て把握するのはなかなか難しくなっています。
輸入する物品の税率がどれに当てはまるのかは、実行関税率表で確認することができます。
通関士はインボイスや商品の仕様書などをもとに実行関税率表からどれに該当するのか判断します。
~実行関税率表(2023年2月21日版) : 税関 Japan Customs~
細かく分類化されているため、関税が無い方が輸入しやすくなるのでは?と感じるかもしれません。
しかし、関税は日本国内の産業を守るために必要な制度なので、輸入コストを計算する際は忘れずに確認をしましょう。